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研究紹介>環境マネジメント> 景観・環境評価

少年院の寮室における窓周りの計画に関する研究

<日本建築学会計画系論文集, Vol. 80, No. 710, pp. 803-811, Apr. 2015>野口 智美,大野 隆造

 本研究は、法律に基づき人を収容する矯正施設のうち、刑務所や少年刑務所と異なり主に保護処分とされた少年を収容して矯正教育を授ける少年院に関して、 新しい少年院法公布(平成26年)により社会的耳目を集めているが、建築分野においては施設発展の手がかりとなる研究が極めて少ないため、その教育効果向上に寄与し得る施設建築の実現に向けた基礎資料を得ることを目的とした。
 本論文では、少年矯正施設の変遷を通した少年院の理念の把握に基づき、居室と屋外空間との関連に着目して、窓からの景色と窓格子の設えを可変とした実物近似の模擬寮室での評価実験により、矯正教育の施設建築として在室者の意識からみた少年院寮室の提案を行った。

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街路景観の連続性に及ぼす建物群の形態と歩行者の見方による影響

<日本建築学会 大会学術講演梗概集, pp. 1069-1070,2015年 9月>余漾, 大澤昭彦, 大野隆造

 従来の景観評価は、立面図等の静止画を用いた議論が多いが、歩行者の見方によって評価の影響要因は異なると考えられる。
 本研究では、既成市街地に新設された建物による景観の連続性に焦点をあて、実際の街並み を線画化した三次元モデルで街路を作成し、異なる見方による影響を、動画評価実験で明らかにすることを目 的とする。
 実験は、建物群の形態を4つの変数(高さ、間口、窓割り、壁面後退距離)を変化させた一棟の建 物を実際の街路に挿入し、動画を用いて2種の見方(街路と並行/垂直の視線方向、以下<平行><正対>と 呼ぶ)で被験者にそれぞれの連続性について評価させた。これらにより、異なる見方による街路の物理的特性 と連続性の評価との定量的な関係を明らかにする。
 その結果、本研究により1)街並みによって<正対>と< 平行>の見方による評価の違いが存在すること、2)<正対>の場合は、単体建物の高さが影響すること、< 平行>の場合では、壁面後退距離の変化が影響することが明らかになった。3)隣接する建物間に差異の大き な物理的特性の数が多いほど、その建物による街路全体の連続性を阻害する程度が大きいと評価されることが 明らかになった。
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コワーキングスペースにおける利用者のコミュニケーションに関する研究 (その1)

<日本建築学会 大会学術講演梗概集, pp. 773-774,2015年 9月>黒田紀美子, 添田昌志, 大澤昭彦, 大野隆造

 情報通信技術が発達し、ワーカーは働く場所をオフィスに限定されなくなったが、このようなワーカーのコミュニケーション不足等の問題が指摘されている。その中、全国で増加傾向のコワーキングスペース(以下CWS)では、多様な空間レイアウトや取り組みによる利用者のコミュニケーションの促進を図っており、本研究では、これらの工夫が利用者のコミュニケーションに与える影響を把握し、今後のCWS 作りの知見を得ることを目的とする。
 まず、ウェブの情報収集からCWS の空間的特徴を把握し、異なる特徴を持つ運営者のヒアリングから、調査対象を選定した。次に、対象CWS の運営者にヒアリングを行い、具体的な取り組みの把握をした。そして、取り組みの影響を把握する為、利用者にアンケートを行った結果、コミュニケーションの促進にはCWS 内での過ごし方が影響しており、運営者と利用者との関わりが要因であることが示唆された。
 さらに、実際の運営者の関わりを把握する為、利用者へヒアリングを行った結果、運営者は利用者に積極的な働きかけをし、空間作りも利用者に働きかけ易くなっていたことから、運営者が利用者に接し易い空間作りが、利用者の付き合いを深めることが示唆された。
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観光地の見所に関する事前及び観光中の情報提供のあり方が来訪者の満足度に与える影響 (その1、その2)

<日本建築学会大会 学術講演梗概集 pp. 587-588,2014年 9月>中川那由多, 大澤昭彦, 大野隆造

 本研究では、観光の満足度を高める為に有用なこととして観光中の情報提供を挙げ、提供する情報の内容とタイミングと観光の満足度の影響について、実験を通して考察している。
 実験方法は、事前に作成した観光地の情報を、観光地歩行前、歩行中の2回に分けて提供し、被験者に評価させ、観光の満足度を高める為に情報提供するタイミングの適切さを求めた。情報の内容は、観光地の見所を端的に表した基本情報、見所の画像と短文の全体情報、見所の詳細情報、見所の由来・歴史の4つとし、歩行前の評価は興味、歩行中の評価は「上回り度」(歩行前の情報が印象をどれほど上回ったか)、「有用度」(提供した情報がどれほど役に立ったか)、満足度を6段階で評価させた。
 結果、歩行前の評価からは、興味を持ちやすい情報を提供すること、歩行中の評価からは、実物を見ないとわからないような情報が満足度を高めること、タイミングは情報の種類によって異なることがわかり、観光の満足度を高める情報提供のあり方が示唆された。
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住宅外観の竣工後における変化とその評価
<日本建築学会大会学術講演梗概集, Pp.1099-1100,2013年8月> 佐藤至, 大澤昭彦, 大野隆造

 本研究は、住宅竣工時と竣工後の物理的要因の変化によって外観の評価がどのように変化するのか、また、評価の変化が起こる要因について考察することを目的とする。
 雑誌や工務店・ハウスメーカー等から収集した竣工時の写真と半年以上経過した後に、竣工時の写真と近い条件で撮影した写真を2枚1組、計20組選定し、11個の評価項目で評価実験を行う。評価項目の1つである「好ましさ」に関してのみ、その理由と注目した物理的変化と評価の際に考慮した観点を聞き出した。好ましさの結果から、物理的変化は“素材の変化”(ex:RC造では評価が下がり、木造では上がる)、“植物の変化“(ex:住宅に対する緑の被覆率)、”人為的関与”(ex:手入れなど)に分類できることが明らかとなった。本研究で、竣工時は住み手の様子が感じ取れる事、竣工後は住み手が継続的に手入れをする事が好ましい経年変化をする上で重要と考えられる。

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廃校施設の活用に対する周辺住民の評価に関する研究 (その1、その2)

<日本建築学会大会 学術講演梗概集(F-1)pp. 519-522,2012年 9月>荒木将行, 小川遼, 大澤昭彦, 大野隆造

 本研究は、廃校となった施設の活用のされ方の違いによって周辺住民の評価にどのような影響を与えているのかを明らかにしたものである。
 調査方法としては、過去10 年間で廃校になった公立小中学校を研究対象とし、廃校施設が実際にどのように活用されているかなどの実態を把握するため、自治体にアンケート調査を行った。
 その結果を基に、周辺住民の評価に大きく影響を及ぼすと考えられる要因として3 つの視点@建物の有無、A建物の利用の有無、B地域住民が利用できるスペースの有無に着目し、さらに施設内を自由に出入りできる開放性の違いも加えて、廃校施設の活用方法を5 つのタイプに類型化を行った。また、廃校施設の利用のされ方が周辺住民にどのような影響を及ぼし、どのような意味を持つかを明らかにするために、以上の5 つのタイプからそれぞれ代表事例を選定し、旧学校敷地の周辺住民に対してアンケート調査を実施した。
 その結果、旧学校との関わりの違いによって廃校になった時の心境及び建物の保存の評価とその理由が異なることが明らかとなり、廃校施設を利用する際には地域住民に対して施設内容を周知させ、開放性を高めて地域住民と連携を図る必要性があることが示唆された
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景観協議において建築設計者により言語化された設計内容

<日本建築学会大会 学術講演梗概集(F-1)pp. 743-746,2008年 9月>内藤誠人、大澤昭彦、川上正倫、添田昌志、大野隆造

 2004年に景観法が施行され,現在多くの自治体が景観法を活用した景観施策を展開しようとしている.地域景観に関わる建築デザインのコントロール手法として,数値による定量的操作と言葉による定性的操作がある.定量的基準は個別建物毎に基準が明確であり適合・不適合の判断が容易であるが,基準を満たすことが目的化し画一的で単調な景観を生み出すと危惧されている.一方,定性的基準は基準の解釈をある範囲において自由に行うことができ,設計者による設計内容に裁量の余地を与えているが,個々の具体的計画に基づいた基準の解釈が必要であり,基準の適合・不適合の判断が困難であるという問題がある.従って定性的基準による手法においては,協議において自治体と設計者の基準の解釈を共有する必要がある.
 そこで,本研究では自治体の景観形成方針や設計指針が設計者にどのように解釈されているのかを明らかにし,その解釈が設計にどのように反映されているのかを明らかにした。
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自然共生型住宅団地の自然計画環境に対する居住者の選好と利用に関する研究

<日本建築学会大会 学術講演梗概集(E-1)pp. 859-860,2008年 9月> Lee, Hyun Jung, 大野 隆造

本研究は、多様な自然の要素や形態を利用した自然環境計画が行かれた都市近郊の集合住宅において計画された「自然環境」の住民による認知や選好と利用の実態を明らかにする。Min&Lee(2006)は集合住宅の外部空間利用に関する研究で住民が好む空間と主に利用する空間が互いに一致することを明らかにし、‘場所(place)=選好空間=利用空間’のモデルを検証した。しかし計画された自然環境はよく利用される空間ではなく、その原因は住民の要求、人間の日常的な行為パターン、および行動領域に対する理解不足などである(Lee et al., 2008) 。Rapaport(2005)によれば人々は住居環境内に多様な意味と価値を与え、‘生活世界’を経験し各自の基準(個人的, 文化的など)によって環境を評価する。そして、認知を通じて意味と価値を捜して、それに対する選好度て空間を選択して使う。日常生活で使われる環境はより重要な環境と評価されたと言える。また人間は環境を評価する時に一つ一つの要素で評価をするのではなく全体的な状況を通じて空間を評価する(大野, 2001)。自然環境が‘場所’として好まれ、よく利用されるためには心理的な選好空間と利用空間を一致させなければならない。本研究では集合住宅の外部空間の中で好まれる空間, 利用される空間の関係を明らかにし、このような空間の環境的特性(要素および状況)を把握した。
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ストレス回復過程における滞在空間の影響

<日本建築学会大会 学術講演梗概集(D-1)pp. 105-106, 2007年 8月> 加戸 悠平、大野 隆造

ストレス社会と言われる現代において、日常生活で受けるストレスに適切に対処することは重要な意味を持つ。一般に、人がストレスを受けると感情状態が悪化することが想定される。よって、ストレス対処では、まず悪化した感情状態をいかに回復させるかが重要となる。感情調節に関する研究において、近年、その人の滞在する空間が重要であるという指摘が見られるようになってきている。具体的には、泊・吉田やKorpelaらの研究が挙げられ、感情調節は空間の影響を受けること、感情調節を行う空間としては自然のある空間が好まれる傾向があること、などが明らかにされている。しかし、これらはストレス回復過程を扱った研究でない。ストレス回復過程を扱った研究としては、Ulrichらの研究を挙げることができるが、この研究では感情調節をする空間を映像により提示しているため、現実との適合性に問題があると思われる。これまでの研究では、実空間を用いて検討を行った例はほとんど見られない。また、実際のストレス対処を考えると、特に屋外空間での滞在によりストレス回復を図る際には、ストレスを受けた屋内空間から屋外空間へ移動する過程が介在するはずであるが、この点を考慮した研究はこれまでのところ行われていない。本研究では、人がストレスを受けた際に滞在空間を変えることで、感情状態にどのような変化が見られるのか、そして、どのような空間が感情状態の回復に効果的であるのかを、実空間での心理実験により検討した。

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劇場の周辺環境と鑑賞前後の行動との関係

<日本建築学会大会 学術講演梗概集E-1, Pp.763-766, 2003年 9月> 遠山直子、添田昌志、大野隆造

 近年、文化施設が整備され、様々な劇場で鑑賞を楽しむことができるようになった。それとともに、劇場周辺での鑑賞前後の過ごし方も多様になっており、劇場内の環境だけでなく、鑑賞前後の食事や友人との会話等、鑑賞前後の時間も楽しめるような劇場周辺の環境が求められていると考えられる。
 本研究では、鑑賞前後の過ごし方への要求および行動と、劇場の周辺環境との関係を明らかにし、鑑賞者の求める鑑賞環境をデザインするための方向性を示すことを目的とする。

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視覚的な意識の広がりと街路空間の評価の関係
   (その3) 建築的付加要素による圧迫感の軽減

<日本建築学会大会 学術講演梗概集(D-1),Pp.713-714, 2003年 9月> 添田昌志,大野隆造

 現代の都市空間は建築物の高層化や過密化が進んでおり、人が周辺の建築から圧迫感を受けるなど心地よくない場合も多い。本報では前報の結果を踏まえ、高層建築による圧迫感を建築的付加要素によって軽減する可能性について実験的に検証し、高層で大規模な街路空間を心地よいものとするためのデザイン手法を提案することを目的とする。

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視覚的な意識の広がりと街路空間の評価の関係
   
(その1) 空間の物理的特性と心理評価との関係
   (その2) 意識される視空間との関係

  <日本建築学会大会 学術講演梗概集(D-1),Pp.813-816, 2002年 8月> 米本由佳,添田昌志,大野隆造

 建築物の高層化や大規模化が進む現代の都市空間は、人間の体に対してあまりにも巨大で心地良くないものが多く なっており、これらをより親しみやすい空間にすることが求められている。
 本研究は、街路幅や建物高さといった空間の物理的な寸法と心理的評価との関係を 明らかにした上 で、高層で大規模な街路空間を心地よいものとするデザイン手法として、アーケードや庇などの建築的付加要素によって意識される視空間 の広がりを限定することの有効性について実験的に検討することを目的とする。

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街路景観に関するデザインガイドライン規定項目の有効性
<日本建築学会大会学術講演梗概集(E-1), Pp.909-910,2002年8月> 中島光平、添田昌志、大野隆造

 近年、市街地の景観に関わるデザインガイドラインを定め て建物のデザインを物理的に統制し、街並みのアイデンティ ティを付与する試みが行われている。更地から街全体を計画する際に定められる開発型のガイドラインでは 、建物の色、開口部の大きさ、高さ等の建築的諸元を具体的に規 定しているが、種々の規定項目には明確な根拠がなく、計画事例によってその定められ方はまちまちである。
 本研究は、開発型のデザインガイドラインにおける種々の規定項目が、街路景観の統一感や多様さなどの心理的評価に及ぼす影響をシミュレーション実験によって明らかにし、デザインガイドライン規定項目の有効性を検討することを目的とする。

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商業地区の活性度の評価に関する研究(その1,2)

<日本建築学会大会 学術講演梗概集(E-1) Pp.857-860,1997年 9月> 杉本正美,長谷川諭,大野隆造

 本研究は、商業地区における活性度を、街路空間の物理的環境、商業活動、及びそこで観察される来街者の行動の3要因を総合したものと捉え、それらの関係を考察することで、商業地区の活性度を適切な指標で表わすことを目的とする。
 住宅地に近接した商業地区を対象として、交差点で区切られた「単位街路」ごとに3要因について調査し、それぞれの街路を分類し性格付けを行なった。調査時間帯の変化に伴う各街路の性格の変化を考察し、それらの関係から商業地区全体での活動状況の時間変化を把握した。街路の性格によりまとめられた領域と、アンケート調査によって得られた意識上の領域との関係を考察し、商業地区の活性度の違いよる領域の形成特性を把握した。
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